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OSGB36 (Ordnance Survey Great Britain 1936 | EPSG:4277)

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概要

OSGB36は英国の国家座標系であり、正式名称は Ordnance Survey Great Britain 1936、EPSG コードは 4277 です。この座標系は、1830 年エアリー楕円体に基づいており、英国 Ordnance Survey によって開発されました。これは、英国の地形測量における国家測量基準点です。英国の地理情報システム(GIS)、地図作成、工学測量の分野では、OSGB36 は広く使用されており、英国の地理空間データの統一された参照フレームワークを提供し、異なるソースからの地理データを同じ座標系で統合および分析することを可能にしました。

構成要素

OSGB36 座標系(Ordnance Survey Great Britain 1936)は、測地座標系を基盤としており、その主な構成要素は以下のとおりです:

  1. 楕円体パラメータ
    OSGB36 では「Airy 1830」楕円体を使用しています。これは地球の形状を数学的に近似したものであり、その幾何パラメータ(長半径や扁平率など)は座標計算の基準面として機能します。
  2. 投影法
    OSGB36 は「横メルカトル投影(Transverse Mercator Projection)」を採用しています。この投影法により、3 次元の楕円体座標を 2 次元の平面座標へ変換できます。局所的な形状や角度が保持されるため、イギリス国内の中小縮尺地図の作成に適しています。
  3. 測地基準と原点
    この座標系はイギリスを基準地域としており、特定の測地基準点によって原点が定義されています。Airy 1830 楕円体と測地基準の組み合わせにより、イギリスの地形特性に適合した幾何的枠組みが構築されています。
  4. 平面座標パラメータ
    投影パラメータとしては、中央子午線(経度 -2°)、基準緯線(北緯 49°)、スケールファクター(0.9996012717)、東距(400,000 メートル)、北距(-100,000 メートル)などが設定されています。これらにより、楕円体上の座標がイギリス国家グリッドの平面直交座標(イースティング/ノーシング)へ変換されます。
  5. 座標の表現形式
    最終的な座標はメートル単位の直交座標系として表示され、イースティング(Easting)とノーシング(Northing)によって平面上の位置が示されます。この方式により、イギリス全域を網羅する整然としたグリッドシステムが構築されています。

長所

  1. 地域適応性が高い:イギリス特有の地理的特徴や測量ニーズに特化して設計されており、英国国内での地理情報処理において高精度・高適用性を発揮します。
  2. 過去の地理データとの互換性:長年にわたり OSGB36 が使用されてきたため、膨大な歴史的地理データがこの座標系に基づいています。これにより、データの一貫性と継続性を保ちながら、過去の情報との統合や比較が容易になります。
  3. 専門分野での広範な認知度:測量・地理情報・土木建設といった専門分野において、OSGB36 は広く使用されており、各種ソフトウェアやツールでも十分にサポートされています。これにより、専門家がデータ処理や解析を行う際の利便性が高まります。

短所

  1. 地域的制約:OSGB36 は主にイギリス国内を対象とした座標系であり、他国やグローバルな GIS 用途には適用しにくく、データの国際的共有や統合が難しくなります。
  2. 他の座標系との変換が複雑:OSGB36 と WGS84 などの世界標準座標系との相互変換は複雑で、誤差も生じやすくなります。これにより、データ処理の作業量や難易度が上がり、精度と信頼性の確保が課題になります。
  3. 技術革新への対応の難しさ:近年の測量技術や GIS 技術の進化により、新たな座標系や手法が登場しています。OSGB36 は比較的古いため、新しい技術や要件に対応するには更新や改善が求められ、対応が遅れると技術的に時代遅れになる懸念があります。

応用シーン

OSGB36 は、英国における地理情報処理、地図作成、土木測量、歴史データ研究、そして長期的な地理モニタリングに適しています。これらのシナリオにおいて、OSGB36 は優れた地域適応性と歴史データとの互換性という利点を最大限に発揮できます。しかしながら、グローバルなデータ統合や新しい座標系との連携においては、変換の複雑さや技術的な適応の問題に慎重に対処する必要があります。

  1. OSGB36 の適用範囲。

  1. 座標系の変換。

関連座標系

CH1903

東京測地系

RD New

Amersfoort(EPSG:4289)

参考

  1. https://epsg.io/4277
  2. https://epsg.io/4277-5622
  3. https://spatialreference.org/ref/epsg/4277/