CSW（Catalogue Service for the Web）
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVT などの複数の GIS フォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrain への変換や公開が可能なワンストップ 3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
CSW（Catalogue Service for the Web）は、地理空間情報のメタデータを検索・取得するための国際標準仕様です。OGC（Open Geospatial Consortium）によって策定され、地理情報システム（GIS）におけるデータカタログの共有や公開を目的としています。CSW は、異なるシステム間で地理情報リソースの存在を発見し、活用するためのインタフェースを提供します。
CSW サービスにリクエストを送信することで、ユーザーはデータセット、サービス、プロジェクト情報などのメタデータを検索、取得、登録、削除することが可能になります。特に、広範なデータセットを扱う組織や、分散環境下で地理情報を共有・活用するための基盤として重要な役割を果たしています。
データフォーマットの概要
CSW は、主に以下のメタデータ標準フォーマットを取り扱います。
- Dublin Core
国際的に広く使用される汎用メタデータ標準で、リソースの基本的な情報（タイトル、作成者、日付など）を記述します。 - ISO 19115/19139
地理空間データの詳細な記述に適した国際規格。ISO 19139 は ISO 19115 の XML エンコード仕様です。 - FGDC（Federal Geographic Data Committee）標準
主に米国において利用される地理情報メタデータ標準。 - ebRIM（electronic business Registry Information Model）
OASIS が策定した汎用的なレジストリ情報モデル。CSW-ebRIM プロファイルを通じて利用可能。
CSW は XML ベースで通信が行われるため、リクエストやレスポンスはすべて XML 形式で記述されます。HTTP GET、POST、SOAP など複数のプロトコルに対応しており、柔軟なシステム構築が可能です。
長所
- 国際標準に準拠している：異なる組織・国・システム間でも共通仕様でデータカタログをやり取りできるため、相互運用性が高い。
- 柔軟な検索機能を提供：キーワード検索、空間範囲検索、時間範囲検索など、多様な条件によるメタデータ検索が可能。
- 拡張性が高い：標準プロファイル（ISO、Dublin Core など）に加えて、独自のスキーマを追加しカスタマイズすることができる。
- 分散環境への適合性：地理空間データが複数拠点に存在する状況でも、統一されたカタログ情報へのアクセスが実現できる。
- 既存 GIS ソフトウェアとの親和性：GeoServer、pycsw、Esri 製品など、多くの GIS ソフトウェアが CSW 標準をサポートしている。
短所
- 実装が比較的複雑：メタデータのスキーマ準拠、XML の構造理解、リクエストの設計など、導入・運用に一定の技術力が必要。
- パフォーマンスに課題：大規模なデータカタログの場合、XML ベース通信や複雑なクエリによって検索速度が低下することがある。
- モダン API との親和性が低い：RESTful API や JSON をベースとする近年の標準（例えば OGC API - Records）と比べると、設計思想が古いため、モダンな Web 開発との統合に追加対応が必要になる場合がある。
- UI の標準仕様がない：カタログデータの閲覧や操作を行うためには、個別にユーザーインタフェースを開発・カスタマイズする必要がある。
応用シーン
CSW は、国・自治体・研究機関・民間企業が管理する地理情報リソースを効率よく整理・公開・共有したい場合に広く活用されています。たとえば、国土交通省や環境省のような行政機関が全国規模で地図・環境データのメタデータカタログを提供する場合、あるいは地方自治体が災害時に備えてインフラ関連データの検索システムを構築する場合に、CSW は理想的な選択肢となります。また、地図配信サービス、オープンデータポータルサイト、企業内 GIS プラットフォームにおいて、社内外のデータリソースを一元的に管理・検索する基盤としても導入事例が増えています。
例
- CSW の概要。
- CSW の概要。
