SAFE (Sentinel Satellite Data Format)
2026年10月20日 15:48

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概要

SAFE(Sentinel Satellite Data Format) は、欧州宇宙機関(ESA)がSentinelシリーズ衛星向けに策定した欧州標準のアーカイブ形式です。リモートセンシングデータ一式を格納するディレクトリ構造であり、XML形式のmanifest.safeを中心的なメタデータのエントリーポイントとして、バイナリ画像データ、プレビュー画像、KML地理オーバーレイレイヤーなど、さまざまな種類のファイルを統合しています。優れた拡張性を備え、異なる処理レベルや観測モードのSentinelシリーズ衛星プロダクトを共通の枠組みで格納できます。ESAの地球観測データのアーカイブと配布における標準形式です。

データフォーマットの概要

SAFE形式は、構造化されたアーカイブディレクトリです。Sentinel衛星の種類によって、プロダクトの構造には多少の違いがあります。主な構成要素は以下のとおりです。

  • ルートディレクトリの主要ファイル: ルートディレクトリには、XML形式でプロダクトの基本メタデータを格納するmanifest.safeファイルがあります。センサーのパラメータ、データ取得時刻、処理ワークフローなどの基本情報が記録されています。また、各衛星プロダクトの主要なメタデータファイルも含まれます。たとえば、Sentinel-2のMTD_MSIL2A.xmlは、GDALなどのツールがデータを読み込む際の主要なエントリーポイントであり、バンド情報、投影パラメータ、雲量などの重要な属性が記録されています。
  • 画像データのサブディレクトリ: Sentinel-1では、measurementフォルダにGeoTIFF形式のレーダー画像データが格納されます。Sentinel-2では、GRANULEサブディレクトリ内のIMG_DATAフォルダにJPEG2000形式のマルチスペクトルバンドファイルが格納され、10 m、20 m、60 mの解像度ごとに整理されています。また、MTD_TL.xmlなどのタイル単位のメタデータファイルも含まれます。
  • 補助データとアノテーションのサブディレクトリ: Sentinel-1にはannotationサブフォルダがあり、校正パラメータや衛星撮像時の姿勢情報などのアノテーションメタデータが格納されています。Sentinel-2にはDATASTRIPやAUX_DATAなどのディレクトリがあり、雲マスクや大気補正用の補助データなど、品質管理に関連するファイルが格納されています。
  • プレビューとサポート用のサブディレクトリ: previewフォルダには、PNG形式のクイックルック画像、Google Earthで表示するためのKMLオーバーレイファイル、HTML形式のインタラクティブなプレビューページが格納されています。supportサブディレクトリには、XMLの解析に必要な拡張サポートファイルが格納されています。プロダクトによっては、HTMLディレクトリやrep_info形式のバージョン情報などの補助コンテンツも含まれます。

長所

  1. データの自己完結性が高い: 画像データ、メタデータ、品質管理用のアノテーション、プレビュー画像が1つのディレクトリ内にまとめられているため、関連ファイルを個別に探す必要がなく、データの整合性とトレーサビリティを確保できます。
  2. 標準化の度合いが高い: ESAがディレクトリ構造とXMLメタデータの仕様を統一的に定義しているため、Sentinelシリーズの各プロダクトには共通した論理構造があり、ユーザーの学習負担を軽減できます。
  3. 拡張性に優れている: Sentinel-1のSAR、Sentinel-2のMSI、Sentinel-3のOLCIなど、異なるセンサーのデータに同じ枠組みを適用でき、将来の衛星もシームレスに統合できます。
  4. メタデータが豊富: manifest.safeや各種MTDファイルには、センサーのパラメータ、軌道情報、処理レベルなどが記録されており、データの品質や処理履歴を迅速に把握できます。
  5. 複数解像度の階層的な格納に対応: たとえば、Sentinel-2では10 m、20 m、60 mの解像度ごとにデータが格納されるため、必要なデータを選択して読み込み、データ量を柔軟に調整できます。

短所

  1. ディレクトリ構造に冗長性があり、サイズも大きい: 多数のXMLメタデータファイルやプレビュー用ファイルが含まれる一方、実際の画像データが占める割合は比較的低く、ストレージ効率や転送効率が低下する場合があります。
  2. 一般的なGISソフトウェアでの直接利用に制約がある: ArcGISやQGISなどの主要なGISソフトウェアでは、SAFEディレクトリをそのまま開けない場合があります。GeoTIFFなどの汎用形式に変換するために、GDALやSNAPなどのツールが必要になることがあります。
  3. 複数解像度のファイルが分散している: Sentinel-2では、解像度の異なるバンドが複数のサブフォルダに分かれているため、一括処理の際にはバンドの統合やリサンプリングに追加のスクリプトが必要になることがあります。
  4. 利用可能な画像を取得するまでの処理工程が長い: SAFEから画像を取り出して利用するには、通常、展開、メタデータの読み取り、バンドの抽出、形式変換など、複数の工程が必要です。単一のGeoTIFFファイルと比べると、処理が直接的ではありません。
  5. ファイル名の命名規則が複雑: ファイル名にはプロダクトレベル、処理ベースライン、タイムスタンプなど、多くの情報が含まれています。初心者には理解しにくく、入力ミスや取り違えが発生しやすいという課題があります。

応用シーン

Sentinelシリーズ衛星データの公式アーカイブ標準であるSAFE形式は、ESAのコペルニクス計画における、無償の地球観測データの世界規模での配布・アーカイブを主な用途としています。Copernicus Open Access HubやSciHubなどのプラットフォームからダウンロードできるSentinel-1のレーダー画像、Sentinel-2のマルチスペクトル画像、Sentinel-3の海洋・陸域観測データは、SAFE形式で提供されてきました。土地利用変化のモニタリング、作物の生育状況の評価、洪水発生時の緊急対応、氷河の後退追跡、海色リモートセンシング解析など、環境科学や地球科学の幅広い分野で利用されています。また、ESA公式ツールチェーンであるSNAPや、GDAL、Sentinel Hubなどのサードパーティ製リモートセンシング処理プラットフォームにおいて、データ解析やプロダクト生成の標準的な入力形式としても活用されています。

例

1. Sentinel-2 A/B衛星のリモートセンシング画像。

image.png

2. Sentinel-1。

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ファイルの開き方

1. Sentinel-3衛星データの処理。

image.png

関連 GIS ファイル

EPT

ERS

SOSI

SDTS

参考

  1. https://user.eumetsat.int/resources/user-guides/sentinel-safe-format-guide
  2. https://sentiwiki.copernicus.eu/web/safe-format