SDTS (Spatial Data Transfer Standard)
2026年07月15日 14:41
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概要
SDTS(Spatial Data Transfer Standard)は、アメリカで開発された空間データ交換標準です。異なるコンピュータシステム間で地理参照データを無損失に転送できるように設計されています。統一的な3層モデル(概念的、論理的、形式的)を定義し、ベクターおよびラスターのデータの送信中に整合性を保ち、メタデータの同時交換をサポートします。この標準は1992年7月にアメリカ連邦情報処理標準(FIPS 173)として承認されました。SDTSはアメリカ地質調査局(USGS)によってリードされ、連邦機関、地方政府、民間企業間での空間データ共有に広く使用されてきました。
データフォーマットの概要
SDTSのファイル構造は、空間データを完全かつ無損失に交換できるように設計された層別・モジュール化モデルに基づいています。そのコア構造は以下の主要なコンポーネントに分類されます:
- 論理仕様層:SDTSの基盤で、データ交換に共通する論理モデルを定義します。レコード、フィールド、サブフィールドから構成され、グローバル情報、データ品質、空間オブジェクト、属性データ、座標参照、その他様々な内容を整理するための34種の標準モジュールタイプを含みます。
- データ品質モジュール:データの信頼性を記述し、出所、位置的精度、属性的精度、論理的整合性、完全性という5つの側面をカバーします。これによりユーザーがデータの適切性を評価できるようになります。
- 空間オブジェクトモジュール:地理的な実体のデジタル形式を表現し、ポイント、ライン、ポリゴン、ラスターなどの様々なジオメトリータイプをサポートします。例えば、実際のファイルにはLE01(ラインストリング)やPC01(ポリゴン)などのレイヤーが含まれることがあります。
- 属性モジュール:空間オブジェクトに関連する非空間属性情報(例:道路名、行政区分コードなど)を保存し、変換の際の意味情報の喪失を防ぎます。
- グラフィック表現モジュール:地図記号情報(テキストラベル、ラインスタイル、塗りつぶしパターン、カラインデックスなど)を含み、異なるシステム間で視覚的一貫性を維持します。
- 系譜およびディレクトリモジュール:データの出所、処理履歴、転送パスを記録し、ディレクトリ構造を通じてファイル内のモジュールを整理し、迅速な位置特定と解析を可能にします。
- 物理形式層:実際のデータはISO 8211準拠のバイナリまたはテキストファイルに保存され、ファイル拡張子は典型的に
.ddfです。データは地域(例:州レベル)によって整理されることがあり、例えばメリーランド州の輸送データファイルはMDTRCATD.DDFになります。
長所
- データの整合性とクロスプラットフォーム互換性:論理モデルと物理形式(ISO 8211に基づく)を厳密に定義することで、ベクターおよびラスターのデータが他のシステム間で無損失に送信されます。これは複雑な空間構造(例:トポロジー関係)とメタデータの同時交換を可能にし、データ共有の信頼性を向上させます。
- 強い標準化と汎用性:連邦情報処理標準(FIPS 173)として、政府機関、研究機関、民間企業などで広く利用されており、多源の地理データの統合と相互運用性を促進します。
- 柔軟で拡張性のあるモジュール設計:層別化されたアーキテクチャにより、特定のデータタイプに合わせて「プロファイル」を開発することが可能で、特定分野での効率的かつ正確なデータ交換を実現します。
短所
- 高い技術的複雑さと実装コスト:SDTSの仕様は規模が大きく、実装が複雑で、ソフトウェア開発とデータ変換において高いハードルになります。一般ユーザーは直接扱うのが難しく、専門的なツールとトレーニングが必要であり、その採用が制限されています。
- より現代的な標準の置き換え:2014年以来、アメリカ連邦地理データ委員会(FGDC)はSDTSをGML(Geography Markup Language)に置き換えることを公式に推奨しています。GMLはWeb環境とXMLエコシステムに適しており、SDTSは主流から徐々に外れています。
- 陳腐化したファイルフォーマットで読みにくい:実際の.ddfファイルはISO 8211のバイナリフォーマットに基づいており、人間が読みにくいという問題があります。現代のGISソフトウェアではサポートが限られており、導入には専用の変換ツールが必要で、利用性が低下しています。
応用シーン
SDTSは主に政府機関、GIS業界、研究分野で使用されています。FIPS 173としての地位により、アメリカで連邦、州、地方の政府部門間での空間データ共有と保存に広く用いられています。この標準は地形図、輸送ネットワーク、水文データ、地質調査などの多様な地理情報の無損失交換をサポートしており、国家空間データインフラストラクチャー(NSDI)の構築において中心的な役割を果たしています。
例
1. 違うGISソフトウェアパッケージを使用するユーザーに対応するため、政府機関は公共データを中立的な形式(例:SDTS形式)に変換することができます。
ファイルの開き方
1. SDTSのデジタルライングラフィックデータをインポートし、ベクターグラフィックとしてレンダリングします。

関連 GIS ファイル
I3S
OpenDRIVE
SOSI
SDTS
参考
- https://www.usgs.gov/publications/spatial-data-transfer-standard-sdts
- https://en.wikipedia.org/wiki/Spatial_Data_Transfer_Standard
- https://www.fgdc.gov/standards/projects/SDTS