DIMAP (DIMAP (Metadata format for SPOT / Pleiades remote sensing imagery)
2026年10月20日 15:59
GISBoxは、OSGB/GEOTIFF/RVTなどの複数のGISフォーマットでの編集をサポートし、3DTiles/Terrainへの変換や公開が可能なワンストップ3DGIS データ編集、変換、公開プラットフォームです。
概要
DIMAP は Digital Image Map の略称です。フランスの企業 Spot Image、Satellus、およびフランス国立宇宙研究センター(CNES)が共同で策定した、オープンなリモートセンシング画像配布用データフォーマット仕様です。初期バージョンの 1.1 は、主に SPOT 5 衛星データの配布に使用されていました。その後、改良版の DIMAP v2 は、Pléiades などの高解像度衛星にも対応しました。GeoTIFF や JPEG2000 の画像ファイルを統合できるほか、衛星軌道情報、撮影パラメータ、有理多項式係数(RPC)、座標系などの豊富なメタデータを備えています。少数の地上基準点を用いた高精度な画像幾何補正に対応し、ENVI や GDAL などの主要なリモートセンシング処理ソフトウェアで直接読み込み・解析できるため、リモートセンシング画像の幾何処理における作業のハードルを大幅に下げます。
データフォーマットの概要
DIMAP は、SPOT および Pléiades のリモートセンシング画像に対応した標準フォーマットです。そのファイル構造は、以下の主要な要素に分けられます。
- メインヘッダーファイル: .dim 拡張子を持つ XML 形式のファイルです。データセット全体の主要なエントリーポイントであり、撮影日時、センサーのパラメータ、放射量校正係数、有理多項式係数(RPC)、座標系など、製品に関するすべてのメタデータを格納します。主要なリモートセンシングソフトウェアは、このファイルを通じて対応する画像と付随パラメータを自動的に識別して読み込むことができます。
- 同名のデータディレクトリ: メインヘッダーファイルと同じ名前に .data を付けたフォルダです。各バンドに対応する画像ファイルを格納し、ENVI 互換形式、GeoTIFF、JPEG2000 などの画像データを統合できます。JPEG2000 形式では、画像を 2048×2048 ピクセルの独立したタイルに分割し、各タイルを基本的な展開単位として扱います。
- 補助サブディレクトリ: バージョンによっては、画像に付随するタイポイントグリッドファイルを格納する tie_point_grids サブディレクトリが含まれます。また、後続の画像品質評価や処理に使用する品質マスクや雲量マスクも格納されます。
- 付属プレビューファイル: 追加の KMZ 形式のプレビューファイルが含まれており、Google Earth に読み込むことで、画像のカバー範囲や基本的なメタデータをすばやく確認できます。これにより、製品の空間的位置や基本属性を簡単に検証できます。
長所
- メタデータの統合性が非常に高い: RPC 有理多項式係数、放射量校正係数、撮影日時、センサーのパラメータなど、詳細な情報が付属しており、高精度な正射補正に直接対応します。これにより、幾何処理の導入ハードルを大幅に下げられます。
- 高い互換性: GeoTIFF と JPEG2000 の両方の画像形式を統合でき、ENVI や GDAL などの主要なリモートセンシングソフトウェアで直接認識・読み込みが可能です。また、KMZ 形式のプレビューファイルも含まれており、Google Earth で画像のカバー範囲をすばやく確認できます。
- 付属情報が充実: 品質マスクや雲量マスクが付属しています。ファイル名の命名規則も分かりやすく、センサー、撮影日、処理レベル、バンド構成などの情報をファイル名から直接把握できるため、データの一括管理に便利です。
- 部分読み込みの高速化に対応: JPEG2000 のエンコードでは 2048×2048 ピクセルのタイル構造を採用しており、大容量・高解像度画像の特定領域をすばやく表示・処理する用途に適しています。
- オープン標準: フランスの CNES によって定義されたオープンなフォーマット仕様です。SPOT 5 や Pléiades 1A/1B など、複数世代の衛星で採用されており、成熟したエコシステムを備えています。
短所
- ランダムアクセスの効率が比較的低い: JPEG2000 形式を使用している場合、1 ピクセルだけを読み込む場合でも 2048×2048 ピクセルのタイル全体をデコードする必要があるため、小領域のピクセル抽出に時間がかかります。
- ベンダー独自の仕様があり、拡張性に限界がある: 衛星データ提供事業者向けにカスタマイズされた配布フォーマットであるため、一部の特殊なバージョンでは拡張メタデータフィールドの汎用的な標準が十分に整備されていません。そのため、提供元以外のツールで読み込む際に、パラメータの解析が不完全になる場合があります。
- ファイル数が多く、管理が煩雑: 完全なデータセットは、.dim ヘッダーファイル、.data ディレクトリ、KMZ ファイル、品質マスクなど、複数のファイルで構成されます。デバイス間での転送や長期保存の際に、ファイルの欠落やメタデータと画像の不整合が発生するおそれがあります。
- 圧縮方式とビット深度への対応に制限がある: 一部の旧バージョンでは、16 ビット画像の可逆圧縮に対応していないため、大容量・高解像度画像ではストレージ容量を多く消費する場合があります。また、JPEG2000 の非可逆圧縮では、雪氷域や影の領域など、ダイナミックレンジの広いシーンで細部の情報が失われる可能性があります。
応用シーン
DIMAP 形式は、SPOT 5、SPOT 6/7、Pléiades 1A/1B などの高解像度商用衛星画像のデータ配布や製品処理に主に使用されます。サブメートル級の空間分解能が求められる都市部の詳細な測量・地図作成、災害時の緊急評価、作物の生育状況のモニタリングなど、幅広い用途で活用されています。また、完全な RPC パラメータと放射量校正係数を備えているため、リモートセンシング画像の正射補正や一括幾何処理のワークフローでも、一般的な入力形式の一つとなっています。ENVI や GDAL などの主要なソフトウェアで直接解析できることから、商用高解像度リモートセンシングデータの取得から活用までをつなぐ標準的な中間データ形式として利用されています。
例
1. フランスの Pléiades 衛星。
2. ERDAS における Pléiades 衛星データの正射補正。
ファイルの開き方
1. ENVI 5 における Pléiades 画像の表示。

関連 GIS ファイル
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参考
- https://en.wikipedia.org/wiki/Infratest_dimap
- https://dimap.live/