エッカートI図法(Eckert I projection)
2026年04月15日 13:36

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概要

エッカートI図法(Eckert I projection)は、1906年にドイツの地図学者 Max Eckert によって提案された疑似円筒図法の妥協型地図投影です。エッカート図法シリーズ(全6種類)の最初の投影法であり、独特な幾何学的構造を持つことで知られています。子午線は等間隔の直線として描かれますが、赤道で途切れる形になっており、中央子午線は投影された赤道の長さの半分しかありません。また、緯線は中央子午線に対して直交する等間隔の直線として配置され、極は赤道の半分の長さを持つ直線として表現されます。この投影は正角図法でも正積図法でもなく、北緯・南緯47°10′の緯線上でのみ縮尺が正確になります。

オーバービュー

エッカートI図法は疑似円筒型の妥協投影であり、1906年に Max Eckert によって提案されました。エッカート図法シリーズの第一の投影として、非常に特徴的な幾何構造を持っています。子午線は等間隔の直線ですが赤道で分断されており、中央子午線は投影赤道の半分の長さの直線となります。緯線は中央子午線に対して直角の直線として均等に配置され、極は赤道の半分の長さを持つ直線として表現されます。この投影は正角でも等積でもなく、縮尺が正確なのは北緯・南緯47°10′の緯線のみです。また、歪みの特性は同一の緯線や子午線上で一定となる特徴があります。

長所

  1. 数学的に単純な構造:すべての緯線と子午線が直線で表現されるため、計算モデルが非常に単純で理解しやすい投影法です。必要な投影パラメータも中央子午線や偽東距・偽北距など基本的な要素のみであり、実装が容易です。
  2. 緯線の均等分布:緯線が等間隔で配置されるため、特定の緯度帯における歪みの分布が予測しやすくなります。また、同一緯線上では縮尺が一定であり、赤道から同距離の緯線間でも同様の縮尺関係が維持されます。
  3. 独特な視覚デザイン:赤道で途切れる子午線や極の直線表現により、一般的な世界地図とは異なる独特の外観を持ちます。この特徴は、芸術的または実験的な地図デザインにおいてユニークな表現を可能にします。

短所

  1. 赤道付近の不連続性:子午線が赤道で分断されるため、この重要な緯度帯では歪みが大きくなります。特にティソーの指標円は赤道上で形状が定義できず、歪みの定量的評価が困難になります。
  2. 全体的な歪みが大きい:この投影は正角でも等積でもないため、形状・面積・距離・方向・角度のすべてに歪みが生じます。北緯・南緯47°10′では縮尺が正確ですが、地図上で歪みのない地点は存在しません。
  3. 実用性が極めて限定的:多くの地図学の文献では、この投影は「特異な形状の世界地図を作成する以外に実用的用途がない」とされています。そのため、主題図、航海図、地理分析などの実務用途には適していません。
  4. 楕円体への非対応:エッカートI図法は球体モデルにのみ対応しています。楕円体モデルを使用する場合は長半径を球半径として扱う必要があり、歪み特性が維持できないため、現代の測地学的用途では適用が困難です。

応用シーン

エッカートI図法は面積、形状、方向の精度に大きな制約があるため、実際の地図作成ではほとんど使用されません。主な用途は、意図的に独特な外観を持つ世界地図を作成する「ノベルティマップ(装飾的地図)」です。芸術的な地図デザインや実験的なビジュアル表現、あるいは地図投影法の歴史的研究や教育目的で紹介されることがあります。しかし、主題地図、GIS分析、航海、教育、科学的可視化などの実用用途では、通常は別の投影法が推奨されます。

1. グリニッジ子午線を中心としたエッカートI妥協図法の世界地図。

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参考

  1. https://pro.arcgis.com/en/pro-app/latest/help/mapping/properties/eckert-i.htm
  2. https://en.wikipedia.org/wiki/Eckert_projection
  3. https://www.bluemarblegeo.com/knowledgebase/calculator/projections/Eckert_I.htm